生まれ育ったふるさとに貢献できる制度、そして自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度として創設された「ふるさと納税」。
ふるさと納税というと、その土地の名産品であるお米やお肉などの返礼品が注目されがちですが、 ほかにも旅行券や家電製品、日用品など、生活必需品から高級品まで様々な返礼品が提供されています。
昨今は、NFTがふるさと納税の返礼品に採用されて話題を集めており、自治体独自のNFTアートや、ゲームとのコラボアイテムなど、多様なNFTの返礼品が出品されています。
今回の記事では、ふるさと納税NFTについて、その概要やメリット、記事執筆時点での代表的な事例をご紹介していきます。
本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、いかなる投資アドバイスでもありません。
本記事の内容に準拠して投資判断を下すことはお控えいただき、投資に関する決定はご自身の判断で行なってください。
なぜふるさと納税にNFTが活用されているのか?
ふるさと納税にNFTを活用するメリット
①デジタル層にもリーチを拡大し、自治体の活性化に期待できる
ふるさと納税の返礼品としてNFTを提供することで、対象となる地域に貢献を望む人や地方創生の課題に向き合う人たちだけでなく、NFTに強い関心を寄せる暗号資産ホルダーも取り込むことができるため、自治体の税収増が見込めます。
返礼品となるNFTアートに、自治体を象徴する観光資源を盛り込むことで現地を訪れたくなるよう喚起し、交流人口の増加に繋げることもできるでしょう。
②都市部と地方のNFTに関する情報格差の解消
デジタル化が進み、一見すると都市部と地方の情報格差が縮小しているようにみえますが、NFTをはじめとするブロックチェーン技術に関わる人材や知見の多くが東京などの都市部に集中しており、地方の自治体や企業にとっては参入障壁が高い状況が続いてきました。
しかし、ふるさと納税にNFTを活用することを通じて、地方の資源がブロックチェーンと結びつく機会が増えつつあります。
ふるさと納税にNFTを活用するという新たな試みを通じて、地方の自治体職員や政治家がNFTとブロックチェーンに接することになり、都市部と地方のデジタル分野における情報格差が解消されるのではないでしょうか。
③暗号資産決済不要!日本円決済で簡単に寄付が完結
通常、NFTを購入するためにはウォレットや暗号資産の入手、NFTマーケットプレイスでの会員登録など、様々な手続きが必要です。
この複雑なプロセスが参入障壁となり、日本におけるNFTの一般化と発展を遅くしてしまっています。
しかしふるさと納税は日本円での支払い(寄付)のため暗号資産の知識がなくてもウォレット開設のみの簡単な手続きで、返礼品としてNFTを受け取ることができます。
ふるさと納税NFTは、暗号資産を使うことに抵抗がある方や、NFTについて詳しくない初心者の方に最初の一歩としておすすめです。
ふるさと納税xNFTの事例をご紹介
①ふるさと納税で日本の犬の殺処分ゼロへ!
Ame-chanが描いた広島県神石高原町返礼品NFT
広島県神石高原町の返礼品NFTは、同地を拠点に捨て犬や迷い犬の保護・譲渡活動や災害救助犬、セラピー犬の育成に取り組む「ピースワンコ・ジャパンプロジェクト」とのコラボレーションによるもので、SBINFTがこの返礼品NFTに関する技術支援を行いました。
この返礼品NFTは、動物愛護に熱心な方から関心を集め、また日本発のNFTプロジェクトとして高い人気を誇る「KawaiiGirlNFT」のAme-chanがデザインを手がけたことでも話題になりました。
Ame-chanが「犬と人の共生」をテーマに描いた全3種類・合計56枚のコレクションは、ふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」でガバメントクラウドファンディング®ふるさと納税の返礼品として用意されました。
ピースワンコ・ジャパンプロジェクトの運営元である認定NPO「ピースウィンズ・ジャパン」がこれまでに保護した犬は7,000頭を超え、本拠地がある広島県の殺処分機は、この6年間一度も使われていないそうです。
集まった約4億3億千円もの寄付金は、そういった信頼できるピースワンコ・ジャパンプロジェクトの運営に役立てられています。
②こちらも「Kawaii Girl」Ame-chanがデザイン!
大阪府泉佐野市「いずみさのNFT」
大阪府泉佐野市がふるさと納税返礼品として提供する「いずみさのNFT」も、人気NFTプロジェクト「Kawaii Girl」のAme-Chanによるものです。
こちらは泉佐野市をテーマに描いた50種類のジェネラティブNFTで、市の観光名所である恋人の聖地「LOVE RINKu」のPRを兼ねた作品となります。
「いずみさのNFT」は、風景や登場人物などがそれぞれ異なる組み合わせで展開されており、見ていて楽しいラインナップになっています。
こちらは寄付金額12万円につき1点が、泉佐野市のふるさと納税特設サイト「さのちょく」限定で提供されました。
③CryptoNinja Partnersとのコラボ!
北海道余市町ほか「ふるさとCNP」
「ふるさとCNP」は、NFTによる地方創生を推進する「株式会社あるやうむ」と、国内最大級のNFTプロジェクトと言われる「CryptoNinja Partners(以下「CNP」)」のコラボによる返礼品企画です。
第一弾は2022年10月に、北海道余市町のふるさと納税の返礼品として「余市町ふるさとCNP2022」が提供されました。
「余市町ふるさとCNP2022」では、パーツや背景、キャラ等それぞれ異なる222個ものNFTが、寄付金額3万円につき1種類提供されました。
NFTは全て1点もので作られており、余市の特産品であるワインや名所をモチーフにして描いた背景が組み合わされているほか、CNPの人気キャラクター「ルナ」を採用し、余市町を訪れることでNFTのレベルが上がる仕掛けも実装されています。
返礼品NFTの保有者には特典として、余市町の人気ワイナリーが手掛けるワインを優先的に購入できる権利の抽選参加資格などが付与されます。
ワインの優先購入権は「余市町ふるさとCNP2022」の保有者だけではなくCNP保有者にも割り当てられる予定で、今後のふるさとCNP企画でもそれぞれの自治体が用意した特典を受けることが可能です。
またこちらは、ウォレットや暗号資産を必要としない日本円で完結できる返礼品NFTです。
大人気のCNPをカジュアルに体験しつつ、地域の魅力を満喫できる仕掛けとなっています。
今後100以上の自治体で行っていく予定だという「ふるさとCNP」。
現在は、大阪府太子町や京都府長岡京市なども参加しており、今後のさらなる拡大が期待されます。
終わりに:ふるさと納税×NFTにかける希望
この記事では、ふるさと納税とNFTの相性の良さや掛け合わせるメリット、実際の代表的な事例をご紹介しました。
NFTは、地方創生や地域のPRにつながる可能性に満ちた技術だということをおわかりいただけたのではないでしょうか。
2021年に人口800人の限界集落「山古志」地域がいち早く動き始めたNFTプロジェクトの成功を皮切りに、その後どんどんとデジタル住民票のほか、今回ご紹介したふるさと納税の返礼品NFTの実践などを通じて、地域の活性化に取り組む動きが増えてきています。
昨今の社会課題である「人口減少」「少子高齢化」「都市集中」は、東京をはじめ都市部を生活拠点にしている人にとっては、なかなか実感を得づらい問題かもしれません。
しかし、日本の地方は人口が集まらず、過疎化が進む900もの消滅可能地域があるのが現状です。NFTによって、こうした地域の活性化につながれば良いですね。
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