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インタビュー

電子書籍のファンを捉える!双葉社様 SBINFT Mits活用事例

雑誌、漫画から書籍まで様々な分野を取り揃える総合出版社「双葉社」。

時代より半歩進んだ先見性が求められる出版業界において、双葉社はWeb3技術を用いたマーケティングプラットフォーム「SBINFT Mits」を採用しました。

2024年4月から開始したUGCキャンペーンでは、NFTの活用で電子書籍のファンの熱量可視化に成功しています。

本記事では、双葉社が直面していた課題とSBINFT Mits導入後の効果、そして今後の展望についてご紹介します。

|SBINFT Mits

SBINFT Mitsは、ファンの可視化、醸成・育成、獲得ができるマーケティングプラットフォームです。

背景と課題

双葉社は、1948年の創業以来、多岐にわたるジャンルの書籍を出版し、多くのベストセラーを世に送り出してきました。

しかし、近年は「ファンの熱量を測る指標の不足」と「キャンペーン開催のハードル」という二つの課題に直面していました。

ファンの熱量を測る指標の不足

長い歴史を持つ双葉社は、読者の声を大切にした本づくりを続けてきた企業です。作家とファンの交流を促し、読者の声を直接聞くために、書店でトークイベントやサイン会を開催してきました。

しかし、近年は電子書籍市場が拡大し、アプリが紙に代わって連載媒体の役割を果たし始めています。電子書籍では店舗イベントを開催しにくく、読者と直接交流し、声を集める機会が少なくなってきました

山内氏は「電子書籍の販売データは売上や属性など定量的なものに限られており、ファンの熱意を測るための指標が不足していました」と語ります。

キャンペーン開催のハードル

双葉社が抱えていたもう一つの課題は、キャンペーン開催のハードルです。

双葉社は読者との積極的な交流のため、これまでSNSを使ったキャンペーンに挑戦してきました。しかし、特設ページ作成にかかるコストの問題や諸手続きの煩雑さに加え、個人情報の適切な管理に伴う負担も感じていました。

「特に個人情報の管理が大きな課題でした。色紙プレゼントキャンペーンなどでは配送のために個人情報を取得しなければなりません。ファンに喜んでもらいたい一方で、なるべく個人情報を持ちたくないというジレンマがありました」(山内氏)

取り組み

山内氏は、電子書籍におけるマーケティング課題の解決方法としてNFTに可能性を見出し、SBINFTに相談を寄せました。

|NFT

NFTとは、Non-Fungible Tokenを略した言葉であり、日本語で「代替不可能なトークン」と訳されます。NFTはブロックチェーン技術によりコピーや改ざんがしにくくなっており、「データであるにもかかわらず唯一無二のもの」という相反する性質を持っています。
詳しくは「NFTとは?仕組みと特徴をわかりやすく解説!」をご覧ください。

ファンとの交流のためにSBINFT Mitsを導入

連載30年を超える双葉社の人気競馬漫画『馬なり1ハロン劇場』の電子コミック版が好評を博す中、編集者の山内氏はファンとの交流方法を模索していました。

その一環として、当初はNFTイラストの販売を試みましたが、暗号資産(仮想通貨)での販売に許可が降りず企画が頓挫した経験があります。

山内氏は解決策を探る中で、日本円だけでオンチェーンNFT売買が可能な「SBI Web3ウォレット」の存在を知り、SBINFTに相談を寄せました。

当初はマーケットプレイスでのNFTイラスト販売を想定していた山内氏でしたが、SBINFT Mitsで熱量が高いファンを可視化できると知り、大きな可能性を感じたといいます。

そして、購入後は顧客との接点が作りにくいとされていた電子書籍でも、SBINFT Mitsを経由することでファンとの交流やその後の購買にもつながることを期待し、導入を決意しました。

馬なり1ハロン劇場のUGCキャンペーンを開催

双葉社は、2024年4月27日から5月12日まで、SBINFT Mitsを利用して『馬なり1ハロン劇場』のUGCキャンペーンを開催しました。

キャンペーンでは、SBINFT MitsからハッシュタグをつけてX(旧Twitter)に作品の感想を投稿することで応募が完了。参加者全員にNFTが配布され、さらに抽選で著者よしだみほ先生のサイン本や色紙がプレゼントされました。

キャンペーンについて、山内氏はこのように振り返ります。

「作品は完結してから4〜5年が経ち、再露出は難しいと思っていましたが、もう一度作品をアピールできたことがとても嬉しかったです。さらに海外ニュースサイトにも取り組みが掲載され、先生にも大変喜んでいただけました」

これについて、福地氏は次のように説明します。

「国内外を見てもNFTを活用した具体的なマーケティング事例はまだ少なく、今回の企画はこれまでにない革新的な取り組みとしてインパクトがあったと思います」

馬なり1ハロン劇場について

馬なり1ハロン劇場(うまなりいちはろんしあたー)は、よしだみほ氏が描くかわいいサラブレッドたちが、実際のレースをもとに、その持ち前のキャラを大爆発させる超人気コミック!!

往年の名馬や現役のスターホースたちによる、笑いあり涙あり社会問題ありラブロマンスありの、面白ショート劇場です。

海外ニュースサイト掲載一覧

効果

双葉社は、「ファンの熱量を測る指標の不足」と「キャンペーン開催のハードル」という課題を解決するためにSBINFT Mitsを導入しました。

連載30年を超える人気漫画『馬なり1ハロン劇場』のUGCキャンペーンを開催した結果、熱心なファンの可視化と運営効率の向上を感じているといいます。

熱心なファンを可視化

キャンペーンでは、『馬なり1ハロン劇場』の読者が感想をX(旧Twitter)に投稿することで好きなシーンを共有しました。これにより、今までは拾うことが難しかったファンのリアルな声を収集し、興味や関心を把握することができました。

その反面、参加者全員プレゼントに設定していた「NFT」という新たな概念のサービスに戸惑うファンの姿もありました。

「NFTに初めて触れる方は、最初は難しいと感じることもあるかもしれません。しかし、NFTに挑戦してまで作品を応援してくれる熱心なファンの姿を可視化できたことが嬉しかったです」(山内氏)

福地氏は「NFT活用のハードルを下げていかねばならない」と述べ、今後の取り組みに意欲を示しました。

今回届けられたファンの声は、よしだみほ先生の作品を紹介する際の参考にしたり、今後の漫画制作に反映したりして、より魅力的な作品づくりに活かす予定ということです。

キャンペーンの全工程がSBINFT Mitsで完結

SBINFT Mitsは、キャンペーン開催に必要な特設ページの作成、応募者の管理、SNS上での反響分析、当選者の選定、イベント開催企業が個人情報を持たずに現物商品の配送を完結させる仕組みなど、多様な機能をオールインワンで提供しています。

実際に自身で特設ページをデザインした山内氏から、次のようなコメントをいただきました。

特設ページの設置からX(旧Twitter)での宣伝まで非常に簡単でした。以前は特設ページの作成を社内の専門スタッフに依頼するか外注するしかなく、費用はもちろん、修正にも時間が必要でした。しかし、SBINFT Mitsはサイト構築のUIが良く、複製や編集も手軽にできたのでかなり便利だと思います」

これに対し、福地氏は「SBINFT Mitsではノーコードで特設ページを作成できる点を推しています」とうなずきました。

今後の展望

ファンの熱量を可視化し、キャンペーン運営の効率向上を実現した双葉社。

今後はより深い交流の場を創出することを目指し、新たなキャンペーンの開催や、NFTを活用したリアルイベントの開催を検討しています。また、今後SBINFT Mitsに期待することについてもコメントを頂戴しました。

新たなキャンペーン開催を検討

山内氏は、今後は完結間近の作品を盛り上げるためにキャンペーンを開催することを視野に入れているようです。

「漫画はイラスト素材が豊富なので、(電子データの唯一性を証明する)NFTと相性が良いと感じています」(山内氏)

また、「好きな作品のアイテムを手元におきたい」というニーズをNFTが満たすことで、ファンに満足感を感じてもらいやすくなることに期待を寄せていました。

SBINFT Mitsに期待すること

双葉社はさらに先の取り組みとして、電子書籍の作者や出版社と読者が直接対面する機会が少ない現状を打開しようとしています。

山内氏は「読者と実際に会うことで、より濃密な情報を得たい」と語り、SBINFT Mitsを通じて個人情報を収集せず、ファンが純粋に好きな作品で集まることができるリアルイベントの開催が可能かを福地氏に尋ねました。

福地氏はこれに対し、NFTにリアルイベントへの参加権を付与するのはいかがでしょうか。オフ会の一歩先を目指したコミュニティイベントなら、ファンと先生のより深く長い交流を目指せます」とコメントしました。

まとめ

双葉社は、電子書籍市場の拡大に伴い、ファンの熱量を測る指標の不足やキャンペーン開催のハードルという課題に直面していました。これらの課題を解決するために、Web3技術を用いたマーケティングプラットフォーム「SBINFT Mits」を導入し、UGCキャンペーンを開催しました。

今回の取り組みで、双葉社は熱心なファンの姿を可視化できたほか、SNSから直接収集したファンの声は作者に届けられ、次の作品制作にも活かす予定です。

さらに、次のキャンペーンやNFTを活用したリアルイベントの開催も視野に入れており、ファンとの新たな交流の場を創出することを検討しています。

双葉社の事例は、電子書籍市場におけるマーケティングやWeb3技術活用の可能性を示すものとして、今後の取り組みに期待が高まります。

使用したSBINFT Mitsの機能

UGCキャンペーン機能

SBINFT Mitsの「UGCキャンペーン機能」は、企業とファンがSNSを通じて交流するための機能です。この機能では、キャンペーンの特設ページから、特定のハッシュタグを用いたX(旧Twitter)への投稿が可能です。

ファンは自分の意見や作品をSNS上で共有し、企業はその声を収集して分析できます。

キャンペーン用LP作成にかかる手間とコストを削減

SBINFT MitsのUGCキャンペーン機能では、キャンペーン用特設ページをノーコードで作成できるため、従来のウェブ開発方法と比較して制作の手間とコストを大幅に削減可能です。

また、ブランドの雰囲気に合わせたデザインカスタマイズが可能で、統一感のあるページを作成できます。

NFT配布機能

SBINFT Mitsの「NFT配布機能」は、プログラミング知識が不要で、NFT画像の設定から配布先のユーザーの指定、NFTの配布まで迅速に行える機能です。

配布したNFTのデータは追跡可能で、キャンペーンの効果測定などに使用できます。

NFTの設定から配布、効果測定までSBINFT Mitsで完結

NFT配布機能を使うことで、複数ユーザーへのNFTの一括配布が可能で、さらにデータの追跡と効果測定が単一のプラットフォーム上で行えます。

また、他の機能と連携してさまざまなマーケティング戦略を実施できるため、ブランドの一貫性を保ちながら迅速にキャンペーンを展開できます。

物品配送機能

SBINFT Mitsの「配送機能」はユーザーの個人情報を保護しながらプレゼントを受け取ることができる機能です。SBINFT Mitsが宅配業者とAPI連携しているため、ユーザーの氏名や住所を取得することなく匿名で物品の配送を実施できます。

これにより、データ漏洩や法的リスクを低減し、情報管理の煩雑さを解消します。

物品配送にかかる負担を軽減

SBINFT Mitsは物品配送にかかる業務を簡便化します。

伝票は自動で作成され、発送者はユーザーの入力情報を元にお届け先を指定するだけで完了します。また、集荷手配もオンラインで可能なため、発送者が商品を営業所に持ち込む必要はありません。さらに、配送料は利用代金とまとめて支払えるため、別途支払い手続きが不要です。

通知機能

SBINFT Mitsの「通知機能」は、一連のイベントを開催した際などに一斉通知を送信する機能です。特に重要なお知らせがある場合は、SBINFT Mits上の通知だけではなく、登録されたアドレス宛にメールを一斉送信することも可能です。

Discordとの連携

Discordは、DAOなどのコミュニティ活動でよく利用されるトークアプリです。SBINFT MitsではDiscordとデータ連携が可能で、通知を送るチャンネルを設定できます。通知は任意で送信可能なため、必要に応じた作業の効率化を実現します。

双葉社について

双葉社は、第二次世界大戦後の日本とほぼ同じ足取りで発展してきた出版社です。

創業のモットーは、お客様に幅広い娯楽雑誌を提供し、明日への活力源としていただくことでした。全社員はそのために労力をおしまず、まごころをこめた本づくりをしていくのと同時に、常に業界にさきがけて、新企画に取り組んでまいりました。

マルチメディア時代に対応し、情報産業の一翼を担うことも、小社の使命と心得、更なる飛躍を期しております。

所在地東京都新宿区東五軒町3-28
設立1948年5月
事業内容雑誌、書籍およびコミック等の出版
URLhttps://www.futabasha.co.jp/

SBINFTについて

利便性の向上、コミュニティーの形成、新たな体験の提供。そんなNFTを通した革新的なサービスを、先頭に立って社会へ。そのサービスを誰もが信頼できるプラットフォームで、社会の常識に。ひらかれ、つながった社会の構築を目指して。

所在地東京都港区六本木一丁目6番1号 泉ガーデンタワー
設立2015年5月
事業内容ブロックチェーンを活用したプラットフォーム事業
URLhttps://sbinft.co.jp/

SBINFTでは「Be the FIRST. Be the STANDARD. NFTを社会に広げる、その真ん中に」を企業理念に掲げ、NFT事業への参入障壁を下げるような技術開発に取り組んでいます。

当社では、NFTマーケットプレイスの運営の経験とノウハウをもとに、NFTコンサルティング事業、技術開発・支援も積極的に行っています。

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