logo

解説・考察

コピー品や海賊版を防止できるNFT?PBTについて解説!

|この記事の対象者

  • PBTの技術を知りたい方
  • PBTの活用事例を知りたい方

みなさんは2022年10月17日に、有名NFTプロジェクト「Azuki」から発表された新たな技術「PBT」をご存知でしょうか?
まだ知名度が低いので、初めてPBTというワードを聞いた人も多いかもしれません。

PBTは、現実世界の”モノ”とデジタル世界のNFTを紐づけることができるとして業界で話題を集めています。
現実世界の”モノ”とNFTを紐づけてどんなメリットがあるんだろうと感じる方もいらっしゃると思います。

本記事では、PBTの概要や使い方、メリット、ユースケースなどを分かりやすくまとめて解説していきます。

|この記事でわかること

  1. PBTとはどのような技術なのか
  2. PBTはどこで利用されているのか
  3. PBTはどのような活用方法があるのか

NFTを活用した事業を展開したい、NFTに興味はあるけれどどう活かせばよいか悩んでいる…など、NFTにまつわるご検討事項がありましたらぜひ弊社にご相談ください。

\ 日本円だけでオンチェーンNFTの売買が可能! /

  • 安全なウォレット機能
  • 暗号資産⇔円の交換を自動で実施
  • dAppsとの接続機能


無料
SBI Web3ウォレット
作成はこちらから

PBTとは

PBTの概要

PBTとは、「Physical Backed Token」の略で、現実で保有している”モノ”を、持っていると証明をしてくれるNFTのことです。

イーサリアムブロックチェーン上のデジタルトークンを現実世界の製品に結びつけることができるオープンソーストークンになります。
開発社はChiruLabsで、ブランドやクリエイターなどが次世代へと貴重な作品を語り継ぐこと、体験できるようにすることを可能にさせるという目的があります。

また、PBTのホルダーはデジタル世界と現実世界の両方で保有出来る楽しさや、実際にPBTを取引したり、限定的なコミュニティに参加できたりと多くの特典を得ることができるでしょう。

PBTで利用されている技術

Azukiが発表を行ったPBTは、「Bean Chip」と呼ばれるNFCタグが使用されています。

Bean Chipは、非対称キーという2つの対となるキーを用いて、データなどの暗号化を行う暗号方式を自己生成することができます。

PBTに使われているBean Chipについて理解ができたところで、どのように使うことができるのか、具体例を参考に確認していきましょう。

PBTの使われ方

Bean Chipが付帯した腕時計を購入したとします。
このBean Chipをスマートフォンの専用アプリケーションで読み込むと、その腕時計を保有している証明としてのNFTを取得することができます。

その取得したNFTが証明書の役割をしており、受け取ったNFTで腕時計の保有者という証明ができる仕組みです。
さらに、腕時計が第三者に渡った際に、第三者がBean Chipを読み込むと以前の保有者のNFTが第三者へ自動的に送られるようになっています。

上記の仕組みのことを、「Scan to Own」と呼び、業界に新しい言葉が誕生したことでも話題になりました。

PBTのメリット

非中央集権により団体に依存しない

1つ目は、イーサリアムのスマートコントラクトで処理されるため、中央管理者というものが存在せず、一部の人間に依存しなくて済むというメリットです。

PBTはブロックチェーンを活用しており、過去の取引や誰が購入していたかなどの情報をさかのぼって追うことが可能になります。

例えば、過去の購入者などをチェックした際に、怪しいウォレットなどであれば事前に取引をやめられるといったメリットもあるでしょう。
また、特別なデバイスは必要なくスマートフォン1つで認証ができるため、今まで暗号資産やNFT業界に難しいイメージを持っていたユーザーが、新規で参入してくるいい流れができるかもしれません。

真贋判定が可能

2つ目は、ブランドのバッグ、スニーカー、時計、アートなどの偽物を見分けることができるようになるといったメリットです。

現在世の中には、数多くの偽物が存在しておりどれが本物なのか、将来残していくべき商品や作品が本物だと思っていたものが偽物だったということが少なからずあるかもしれません。
このような課題を解決できるのがまさしくPBTになります。

また、ブランド製品が偽物かを判断できるのはもちろん、PBTを活用することでブランドの企業側はウォレットの履歴からデータなどを取得することができ、今後のマーケティングや商品開発などに役立つことでしょう。

実際にルイヴィトン(Louis Vuitton)やグッチ(GUCCI)などの高級ファッションブランドが既にNFT業界に参入していることもあり、今後の動きやPBTに関する発言に注目されています。

PBTの活用事例

本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、いかなる投資アドバイスでもありません。
本記事の内容に準拠して投資判断を下すことはお控えいただき、投資に関する決定はご自身の判断で行なってください。

Azuki

PBTが活用されている例として「Azuki」というNFTプロジェクトが挙げられます。

Azukiとは2022年1月に公開されたNFTプロジェクトで、アメリカのchirulabs社のメンバーが立ち上げたコレクティブル型NFTプロジェクトです。

|コレクティブNFTとは?

コレクティブルNFTとは、「収集可能なNFT」と呼ばれてたりもしていますが、自動生成で色々なパーツを組み合わせ作られたNFTを意味しています。
パーツによって個体の種類の数に差が出るため、そこで価値に差が出ることもあります。

Azukiは4週間程度で取引総額が3億ドルに達しており、最近ではNFTプロジェクトでも注目されています。

AzukiではPBTの技術を利用して、現物とNFTの紐付けを行ったものを提供しており、一例として最初にリリースした金のスケートボードがあります。
金でコーティングされている高価なスケートボードを9点公開し、最高価格で309ETHの価格がつけられました。この重さは20キロにも及ぶため持ち運びには不向きなスケートボードですが、PBTの技術を利用するには最適と言えるでしょう。

金のスケートボードの中にはBean Chip(NFCタグ)が埋め込まれており、このBean Chipをスマートフォンで読み取ることによって所有権を移転したり、保存したりすることが可能となっています。

NFTというものが提供され始めてから現物の商品とNFTのトークンを紐づけることが難しいと言われていましたが、PBTがその課題解決のためのソリューションとして機能するか期待されています。

XE:KFH《ゼクー》

国内でPBTが活用されている事例としては、「XE:KFH《ゼクー》」というジュエリーブランドがあります。

XE:KFH《ゼクー》は、様々なジュエリーブランドを展開する「株式会社HASUNA」によって、2022年12月30日(金)よりリリースされた新ジュエリーブランドです。

同社は、日本初のPBT活用事例として、同年12月30日(金)21:00〜12月31日(土)21:00にかけてオークション形式でバングルを計3つ販売しました。
バングルは日本の職人がこだわり抜いて制作されており、本体表面にはコントラクトアドレスとシリアルナンバーの刻印が。

また、紐づいているNFTはバングルではなく、クリスタルがイメージされたものとなっており、NFTと実物が違ったという面白さもあります。

直近では、国内人気NFTプロジェクト「Neo Tokyo Punks」とコラボしてNFTを販売するなど、盛り上がりを見せています。

今後、さらに人気NFTプロジェクトとのコラボも予定されていることからPBTを活用しているプロダクトとして注目を浴びることでしょう。
具体的なコラボ先で名前が上がっているプロジェクトは、先ほど名前を挙げさせていただいた「Neo Tokyo Punks」や「Kawaii Meta Collage」、「Meta Kawaii」などがあります。

今後考えられるPBTの活用方法

最後にPBTの今後の活用方法には、どのようなことが考えられているのかを紹介します。

実際に紹介する内容が可能性として模索されているため、シナリオの1つとして捉えてもらうといいでしょう。

コピー品や海賊版の防止

PBTの活用方法として最初に考えられるのは、コピーブランドや海賊版の対策です。

PBTを活用することで、NFTを通じて製品が本物ということの証明ができるため、現在メルカリや楽天などのフリマアプリで出回っているコピーブランドや海賊版の製品を抑制できるでしょう。

転売対策

続いてPBTは、コンサートのチケット等の転売対策としての活用方法が考えられます。

PBTを利用することで、NFTのトランザクションから過去の情報を確認することができるため、利益目的の転売ヤーの参入を無くし、正規の価格で実際に楽しみたいユーザーの手に届くという使い道が検討されます。

ユーティリティ

3つ目の活用方法として、PBTを保有することによるユーティリティが挙げられます。

Azukiがローンチしたスケートボードはメタバース空間と紐付けることが可能で、実際にデジタル上で使用できるといった特典があります。
また、PBT保有者にエアドロップを行って還元をすることも今後可能になるでしょう。 

まとめ

今回は、Azukiが発表したPBTの概要からメリット、実際の活用事例について解説しました。
PBTはユーザーだけでなく、コピー品や海賊版を防止したいブランド、NFTを普及させたい企業や団体などにも需要があるでしょう。

今回ご紹介したようなPBTはもちろん、もしNFTを活用した事業を展開したい、NFTに興味はあるけれどどう活かせばよいか悩んでいる…など、NFTにまつわるご検討事項がありましたらぜひ弊社にご相談ください。

\ 日本円だけでオンチェーンNFTの売買が可能! /

  • 安全なウォレット機能
  • 暗号資産⇔円の交換を自動で実施
  • dAppsとの接続機能


無料
SBI Web3ウォレット
作成はこちらから